『生物多様性まんだらカードゲーム』は、愛知県名古屋市で開催されたCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)を契機に、公益財団法人 日本環境教育フォーラムが、(株)アーバン・コミュニケーションズの協力を得た作成した、人の暮らしと自然のつながりが学べるカードゲームです。
「風が吹けば桶屋が儲かる」という、意外なところにつながりがあるたとえ話をヒントにされています。
カードは、国連の「ミレニアム生態系評価(MA)」の考え方を基につくられています。
「ミレニアム生態系評価」とは、人が生態系の恵みから得られている「生態系サービス」の価値をを経済的に評価する、国際的な取り組みです。
「ミレニアム生態系評価」では、「生態系サービス」を、食料、木材などを生む「供給サービス」、気候の調整など「調整サービス」、レクリエーションなどの「文化的サービス」、土壌の形成など「基盤サービス」の4つに分けられています。
カードは、生態系サービスを、医療・住まい・農産物・海産物・空気・水・衣・文化・エネルギーの9つに分けて、それぞれに関連するカードが6枚で、合計54枚のカードがあり、表にイメージ写真、裏に生態系サービスの分類が書かれています。
ルール
ゲームでは、3~5名のグループに分かれて、ウォーミングアップした後、カードを使ってストーリーをつくっていきます。
最初は、全員が、太枠カードを1枚引き、残りのすべてのカードを表で場に広げ、その中から2枚のカードを選んでで小ストーリーをつくります。そのストーリーをグループ内で発表します。
例えば、「住まい」カードから、下の写真のようにカードをならべ、「住まいは、森の樹木を使って、大工さんが建てます。」というようなカンタンなストーリーをつくる感じです。
次は、グループワークで、1枚のカードに6枚のカードを選んで、中ストーリーをつくります。
チームで相談しながら、ストーリーをつくります。
例えば、「水分」カードから、下の写真のようにカードをならべ、「源流の水が用水路をとおして、田んぼに流れ、お米をつくります。一方で、地下に流れたものが井戸で汲み上げられて、飲料水になり、ペットボトルで売られたりします。」という感じです。
何グループかあれば、どんなストーリーができたか、グループごとに発表します。
最後は、生命の源である「海」カードから、残りの53枚すべてのカードをつないで、チームで相談しながら大ストーリーをつくります。
それを、グループごとに発表します。
体験してみた感想
小ストーリー、中ストーリーは、カンタンにつくれました。ただ、さすがに、大ストーリーは、50枚以上あるカードをすべてつなぐのは無理だろう、と思いましたが、やってみると、並び方を変えたり、カードの解釈を工夫したりしながら、完成しました。
わたしは、環境に沿ったつながりを考えましたが、グループ内のメンバーの突飛な発想がカードをつなぐ面では、活躍しました。
効果としては、
- カードをいろいろつなぐことで、アイデアを考える発想力
- グループみんなの意見を取り入れる協調性
が体験として、学べました。
小学生から大人までできますが、小学生はカードの意味がわからなかったりすることもありそうで、中学生以上が向いていると思いました。実施者としては、振り返りで、自然がわたしたちの生活に役立っている「生態系サービス」の話などにつなげることもできます。